ANA株の株価は安い?なぜ危ないと言われるのか?
ANA株の評判について、実際のトレーダーや株主レビューから考察していきます!

ANAとはどんな会社?

ANA株は危ないと言われる理由を解説する前に。
はじめにANAとはどんな会社か基本情報について触れていきます。

会社概要

まずANAの会社概要についてです。

社名 ANAホールディングス株式会社
本社所在地 東京都港区東新橋1丁目5番2号 汐留シティセンター
設立 1952(昭和27年)12月27日
従業員数 200名
資本金 467,601百万円
事業内容 グループの経営戦略策定、経営管理及びそれに付帯する業務

全日本空輸株式会社(ANA)は、2013年4月からANAホールディングス株式会社に改名して再スタートしました。
株主優待として、 ANA国内線やANAグループ各社・提携ホテルの割引サービスをはじめ、空港内での商品割引や、特別料金でのゴルフやトラベルツアーが利用できます。

旅行や出張の利用機会の多い人には、お得な優待が盛りだくさんの株式です。

業績推移

次にANAの業績推移についてです。

「売上高は前期から増加し1兆7,074億円(前期比67.3%増)となりました。営業利益は1,200億円(前期 営業損失1,731億円)、経常利益は1,118億円(前期 経常損失1,849億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は894億円(前期 親会社株主に帰属する当期純損失1,436億円)となりました」

去年に比べて増収傾向にあるのは、コロナの行動制限の緩和と社会経済活動の正常化により、日本経済全体が持ち直している結果だと言えます。
また、増収増益を安定的な成長に促す戦略背景には、持続的競争力を維持する以上に、徹底したコスト管理が行われていると予想されます。

株価推移

ANAの株価推移についてです。

年初来高値 3,187(2023年5月18日)
年初来安値 2,681(2023年3月16日)

株価は、5月に入って上昇傾向にあります。
要因としては、国内線はコロナ感染者数の減少とワクチン接種進展による人流回復の恩恵による収益改善が顕著であること。
さらに、国際線も訪日外国人の観光客増加に伴い、増収が見込める環境が整っているためと考えられます。

配当実績

ANAの配当実績についてです。

第72期 2022年(令和4年)3月 配当額0円
第71期 2021年(令和3年)3月 配当額0円
第70期 2020年(令和2年)3月 配当額0円
第69期 2019年(平成31年)3月 配当額75円

第69期までは配当実績がありました。

ですが、直近3期はいずれも配当は0%という実績に。
3期連続配当利回りが0%なのは、新型コロナウイルス感染症による影響から配当を合理的に算定することが困難であることが大きな要因だと考察します。

しかし、コロナの影響を脱しつつあるので、これから配当は上がると予想されます。

株主優待

最後にANAの株主優待についてです。

権利確定月:3月末日・9月末日
単元株数:100株
優待の種類:飲食料品、日用品・家電、食事(割引)券、買い物券・プリペイドカード、スポーツ、交通・旅行、宿泊、その他、オリジナル・限定

①株主優待番号ご案内書
②ANAグループ優待券
③株主様専用サイトでの特典
④ANA株主様カレンダー

株主優待は国内線の搭乗優待券が進呈されます。
他にもANAグループ優待券として、提携ホテル優待や国内・海外パッケージツアー優待、空港内売店での買物優待、ゴルフプレー料金の割引優待が100株からもらえます。

ANA株は危ないと言われる5つの理由

「ANA株、危険。手を出さない」

いったいANA株の何がそんなに危ないのでしょうか?
早速、ANA株は危ないと言われる5つの理由について触れていきます!

【理由1】上場廃止の可能性があるから危ない?

ポストコロナで業績回復が見込める有望銘柄として代表的な「ANAホールディングス」。
ですが、口コミでは上場廃止の惧れがあると、不満の声が挙がっています。

たとえば、
「ANAは、もしかして倒産寸前?」
「ANAは、上場廃止になってもおかしくない」
といったコメントがありました。

日本航空(JAL)は2010年に、2兆3,000億円という戦後最大の負債を抱えて事実上倒産し、上場廃止となった過去があります。
(出典:reuters「JALが更生法申請、支援機構傘下で再建へ=負債総額2兆3000億円超」

JALは2012年には再上場を果たしましたが、ANAもコロナ禍で経営不振に陥っていたので、二の舞になるのでは、と危惧する声が未だにあります。

とはいえ、ANAの株価の値動きは、比較的好調な進展を見せているようです。

ANAの株価は、全盛期より上がることはなかなかなさそうだが、コロナ前に戻りつつある、との見方があるようです。
他にも「株価が戻ってうれしい」「株価回復してプラスになった」との、口コミが挙がっています。

実際、ANAホールディングスは3期連続増収なので、経営は回復傾向にあると言えます。
(出典:Aviation Wire「ANA、3期ぶり最終黒字894億円=23年3月期通期」

なので、今のところ、ANAの上場廃止のリスクは限りなく低いと考察します。

【理由2】購入しても含み損になるから危ない?

ANA株は、買っても含み損になるから危ない、との口コミが見られました。

具体的には、
「コロナに加え、航空ルート制限、原油高とトリプルパンチで含み損がすごい」
「優待の為のANAの含み損が、一番酷い」
といった、コメントが挙がっています。

含み損とは、保有する株が買った時よりも時価が値下がりしている状態のこと。
ANA株に含み損があるということは、現在の株価が購入時よりも低い人が多いようですね。

とはいえ、ANAの含み損が回復してきた、との声もあります。

ANAホールディングスの含み損が、600円まで回復してきた、といった声があります。
他にも「含み損だったANAがついにプラスに」「ANAは今のところプラス」との口コミが寄せられていました。

直近2年間の株価チャートをみると、あまり株価が上がっているようには見えませんが、2023年5月から回復傾向が見られるので、旅行シーズンで上昇する可能性はあると考察します。

【理由3】三期連続配当が無配だから危ない?

ANA株は三期連続「無配当」という状況なので、批判的な意見が見られます。

たとえば、
「ANA株が無配当とは。分かっていたけど辛い」
「無配当で見限られた、ANAはもう終わり」
といった、口コミがありました。

とはいえ、ANAの無配当に関して、擁護するコメントも挙がっています。

ANA株は売らずに待っていたら、含み益が増したので利確(利益確定)した、との口コミがありました。

株を購入した時期にもよりますが、ここ10年の株価推移を見てみると、2000円台前半がANA株の最低ラインだと考えられます。

なので、株価が2500円前後の時期に購入した人は、今後も含み益になる可能性は高いと言えるでしょう。

【理由4】自己資本比率が低いから危ない?

ANAの自己資本比率の低さから、ANA株は危ないと考える人も多いようです。
自己資本比率とは、返済の必要がない資本のことで、会社の安全性を評価するうえで最も基本となる分析指標となります。

口コミは具体的に、
「コロナのような緊急事態時も倒れない資本が必要なので、自己資本比率で考えるとANAよりもJALの方が優勢」
「自己資本比率・借金の少なさ・利益率は、圧倒的にJALの方が良い」
といった、意見がありました。

しかし一方で、ANAの自己資本比率を、評価する声も見られます。

JALもANAもコロナの打撃を受けているのに自己資本比率が40%超えているのはすごい、との意見がありました。

自己資本比率は、一般的に50%以上あればかなり良好な状態で、30%以上あると安全圏だと言われています。
(出典:freee株式会社「自己資本比率|会社経営の「安全性」をあらわす指標」

現在のANAの自己資本比率は2023年3月時点で25.6%です。
ですが、日経新聞によると、2026年までに有利子負債を売却することで40%に回復させる見通しがあるようです。

なので、見通しを考慮に入れると、ANA株は安全であると言えるのではないでしょうか。

【理由5】売り時がわからないから危ない?

ANA株は売り時がわからない、との意見が多かったです。

たとえば、
「微増で手放すか、もう少し引っ張るか、とても悩ましい」
「ANAの売り時逃してしまった。一回手放したい」
との、コメントが見られます。

ただ、基本的に株の売り時は、株価の上昇トレンドから下落トレンドに変わるときが売却(利確)するタイミングとなります。
(出典:Cointelegraph「株を売るタイミングは?株価チャートから利確を判断しよう」

以上を踏まえると、現在(2023年5月末時点)ANA株価チャートを見る限り、株価は上昇トレンドから下落トレンドに差し掛かっているという見方ができます。

なので筆者の意見では、ANA株は、現在売却しても問題ないのではないでしょうか。

競合比較からANA株の危ない評判も検証

【図4】

そこで!競合比較からANA株の危ない評判も検証していきます!

同業他社(業界)比較表

まず同業他社(業界)比較表は以下の通りです。

【今後の見通し】結局、ANAの株価は危ないってホント?

【図5】

主観と客観の両面からANA株の評判を解説してきました。

結局、ANAの株価は危ないってホントなのでしょうか?
結論からいうと、ANAの株価は危ないとは言い難い状況といえそうです。

なぜなら、ANAは現在、業績が回復してきており、経営自体は増収傾向にあるため。

株価は比較的安定していくと見られます。
過去には、ANAはコロナ禍の影響で他の交通インフラ企業と同様に、経営危機に見舞われました。

実際、2021年3月期には、5100億円の巨額赤字を計上しています。
(出典:reuters「ANA、過去最大の最終赤字へ 航空事業の規模縮小」

ですが、コロナ禍の規制が緩和し客足も戻りつつあるので、今後は航空需要が国内線だけでなく国際線も高まることで、株価はさらに上昇する可能性はあると言えるでしょう。

まとめ:ANA株は危ないと言われる理由と評判を口コミから考察

ANA株は危ないと言われる理由と評判を口コミから考察してきました。

改めて、ANA株は危ないと言われる理由をまとめると、

ANA株は危ないと言われる5つの理由

  1. 上場廃止の可能性があるから危ない?
  2. 購入しても含み損になるから危ない?
  3. 三期連続配当が無配だから危ない?
  4. 自己資本比率が低いから危ない?
  5. 売り時がわからないから危ない?

ANA株は危ないと言われる理由があるのは事実です。
特に、コロナ禍の影響による経営悪化について、不安視する声が多かったです。

主な要因としては、航空株は景気敏感銘柄と呼ばれ、経済状況や社会情勢に業績が左右されやすい傾向があるため、不安に思う株主が多かったのではないでしょうか。

ですが、現在は業績も回復傾向にあり、自社株買い等で経営の建て直しも図られているので、安心して企業動向を見守ることができるでしょう。

ANA株に関する記事を最後までお読みいただきありがとうございました。